鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科 形態科学(旧 神経解剖学)
口岩 聡 Satoshi KUCHIIWA Ph.D.
鹿児島純心大学 大学院人間科学研究科・人間教育学部 教育・心理学科
口岩 俊子 Toshiko KUCHIIWA Ph.D.

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私たち研究グループの研究・Research of our group

口岩 聡 口岩 俊子

本ページは、私たち研究グループがこれまでに行ってきた研究活動のご紹介です。

This webpage provides overview of the research activities conducted by
our research group thus far.

実験動物の対物攻撃行動を機械で計る
Calculating aggressive behavior towards inanimate objects using a machine

向精神薬の開発では、実験動物に新薬を与えた後に動物の攻撃性がどのように変化するか、詳細に調査を行って薬の脳への作用を評価します。現在、攻撃性試験は、オス動物同士を闘わせてそのようすをビデオ解析する方法(レジデント・イントルーダー試験)が一般的です。しかし、この方法は相手の動物との相性によって結果が左右される可能性があり、また、観察者の主観が入り込む危険性もある試験です。さらに、攻撃性の発現には男性ホルモンの存在が必要ですので、メス動物を使用することができないという欠点もあります。向精神薬の効果は男女で異なることが多いことがわかっていますので、オス動物の攻撃行動試験だけで薬の評価を行うことにも問題があります。向精神薬の開発では、性ホルモンに影響されない攻撃行動試験を導入すべきです。 ≫続きを見る

With the development of a psychotropic drug, we assess how aggression of the laboratory animal changes after giving it the new drug, surveying the details and assessing the effect of said drug on the brain. Generally, male laboratory animals are made to fight each other and it is analyzed for aggression (Resident Intruder Test). But the results of this method may vary based on the relationship between the animals, as well as bias of the observer. Furthermore, since male hormones are required for aggression to be exhibited, the inability to use female laboratory animals is a disadvantage, and since we know the effect of the psychotropic drug differs greatly between the two genders, performing the aggressive behavioral test on male laboratory animals alone is an issue. With the development of this psychotropic drug, the appropriate thing to do would be to introduce an aggressive behavioral test that is not influenced by male hormones. ≫Read more

精神疾患モデルマウスの攻撃行動を調べる
Analysis of aggressiveness in psychiatric model mice

胎盤/母乳経由でダイオキシンを摂取した子マウスが思春期に達した頃、正常な動物には見られない苛立ちの行動が目立つようになります。その様子は鬱モデル動物の行動と酷似していましたので、私たち研究グループはダイオキシンによって欝病が発症する可能性を推論し、その症状を定量的に診断したいと考えました。ダイオキシン摂取マウスのこの苛立ちの症状はイリタビリティ irritability(易怒性)と呼ばれますが、これまでイリタビリティを計測する行動学研究法は存在しませんでした。 ≫続きを見る

When young mice that have ingested dioxin via placenta/breast milk reach puberty, an irritated behavior becomes prominent. Since said state matched with the behavior of model animals with depression, our research group inferred that there is a possibility of depression being caused by dioxins. We thought to diagnose those symptoms quantitatively, but until then a behavioral research method to measure this irritation did not exist. ≫Read more

光くしゃみ反射
Photic Sneeze Reflex

光くしゃみ反射とは、刺激が誘因となって反射的にくしゃみが起こる現象です。屋内から晴天下の屋外に出た時や太陽の光が直接目に入った時など、まぶしさを感じた瞬間に起こります。光くしゃみ反射は、まぶしさを感じている間だけに起こるので、くしゃみの回数は通常1回か2回で、連続して何回も起こることはありません。光くしゃみ反射は、誰にでも存在するのではなく一部の人たちだけに存在する生理的(正常)な反射です。私たちの749名を対象にした調査において、日本人の約25%の人がこの反射をもっていることがわかりました。 ≫続きを見る

The phenomenon of photic sneeze reflex is the occurrence of reflexive sneezing triggered by exposure to light stimuli. It happens at the moment when one experiences brightness, such as when moving from indoors to the outdoor sunshine or when direct sunlight enters the eyes. The photic sneeze reflex occurs only while perceiving brightness, so the number of sneezes is typically one or two, and it does not happen repeatedly. ≫Read more

特定の脳神経細胞に薬を届ける

脳は脳脊髄液に浮かんだ状態で衝撃から守られています。脳脊髄液と脳実質との間には髄液脳関門と呼ばれるバリアがあり、脳脊髄液中の物質が無差別に... ≫続きを見る

脳の局所血流調節を司る細胞

大脳皮質には機能の局在(感覚中枢や言語中枢など脳の部位によって機能が異なること)があり、活動している中枢に集中的に血液が供給される仕組み... ≫続きを見る

頭部・顔面・口腔領域の血流調節

頭部・顔面・口腔領域の血流調節は唾液核を起始する副交感性節前神経およびその分布領域に点在する神経節(末梢組織に存在する神経細胞集団)群によって... ≫続きを見る

血管調節細胞と分泌調節細胞の形態差

唾液核を上位運動ニューロンとする頭部・顔面・口腔領域に存在する副交感性神経節細胞はその細胞が支配する構造によって形態が異なります。血管を... ≫続きを見る

副毛様体神経節の発見

眼窩(眼球が入る骨のくぼみ)には毛様体神経節と呼ばれる神経細胞集団があります。対光反射、遠近調節反射、近見瞳孔反射(=輻輳反射:近くのものを... ≫続きを見る

副毛様体神経節の解剖学

私たちの研究グループは、哺乳動物に共通に存在する眼窩内神経節を発見し、副毛様体神経節と命名しました(前出)。当初、毛様体神経節(主神経節)の... ≫続きを見る

今も続くダイオキシン汚染

この研究が開始された平成13年には、すでに「環境ホルモン」という言葉が、世間に知れ渡っていました。その中でもダイオキシン類による環境汚染は... ≫続きを見る

ダイオキシンの次世代への脳影響

ダイオキシン同族体、ダイベンゾフラン、コプラナーPCBは、環境中に広く存在する環境汚染物質であり、きわめて毒性が強いことが知られており、ダイオキシン類と... ≫続きを見る

ダイオキシンによる前脳の異常

ダイオキシン類の環境放出は著しく減少しましたが、ダイオキシン類は化学的に難分解性ですので、環境中ではほとんど分解されることはなく、現在でも... ≫続きを見る

ダイオキシンによる脳エンケファリン異常

胎盤を介してダイオキシン類を摂取すると、ラットやサルでは、学習能力が後退することが報告されています。ヒトでは、神経学的発達や認識能力の発達に障害が... ≫続きを見る

ダイオキシン摂取による拒食症

ダイオキシン類の急性毒性の最も顕著な症状の一つは、進行性の摂食抑制(拒食症)です。ダイオキシンの急性摂取では 拒食症状が進行して体重が減少し... ≫続きを見る

一酸化窒素が摂食とエネルギーバランスに関係する?

視床下部にはオレキシン(神経ペプチドの一種)を産生する細胞群があり、これらは摂食とエネルギーバランスの調節に関わっていると考えられています。同様に... ≫続きを見る

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